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コミュニティカレッジ

アメリカには1,700校ほどの2年制大学がありますが、その多くがコミュニティカレッジ(コミカレ)と呼ばれる、地域に根ざした教育が行われている大学です。コミカレのほとんどが公立・州立で、地域住民のための高等教育、生涯教育の場として設けられており、専門性の高い「職業訓練コース」、一般教養を中心とした「4年制大学編入コース」などが提供されています。

日本の短大との違い

アメリカのコミカレは、日本の短大とは違い、カルチャーセンターのような面を合わせ持っており、職業訓練コースではまさに「手に職をつける」内容の濃い教育を受けることができます。4年制大学への進学を目指す学生から、専門的なスキルを身に付けたい人、キャリアアップを目指す人まで様々な人が通い、誰にでもオープンに一般教養を学べる場を提供していることも特徴です。

取得できる学位・資格

コミカレでは様々なプログラムが提供されているので自分の好きな分野を選んで集中して勉強することができ、プログラムを修了すると修了証書や資格、準学士号(AA/AS = Associate's Degree)が与えられます。4年制の大学に比べて経済的負担も少なく、入学条件も比較的易しいので留学生に人気です。しかし、地域によっては学校の規模が小さく専攻できる分野やクラスが少なかったり、学校によって強い分野に違いがあるので特徴をよく調べ、目的に合わせて学校を選びましょう。

入学条件

コミカレは年齢制限などを除く、ある一定条件を満たしていれば、基本的には地域住民であれば誰でも入学することができます。これはオープンアドミッション(Open Admission)と呼ばれ、全ての人に同等に教育を提供するという理念に基づいています。

留学生の場合は高校卒業と同等以上の資格があり、一定以上のTOEFLのスコアを持っていれば入学が認められます。スコアは学校により異なりますが、目安としてはTOEFL46~65(iBT)程度になります。

大学付属の語学学校や大学と提携している語学学校には、優先枠が設けられています。一定レベル以上のクラスを卒業すると、自動的に提携先のコミカレへの入学が許可される場合があり、これを条件付入学と呼びます。

入学時期はセメスター制の場合、一般的に秋(8月)か春(1月)、クォーター制の場合、秋(9月)、冬(1月)、春(3月)から選択が可能です。夏のサマーセッションから入学を受け付けているコミカレもあります。日本の短大・大学から編入することもできます。

プログラム

■職業訓練コース(Technical ProgramTechnical Program)

職業に直結するスキルを身につけることができるのが職業訓練コース。Certificate Programとも呼ばれ、様々なプログラムが提供されています。このコースでは仕事に生かせる実践的な力を効率的に学び、8週間から3ヶ月程度で手に職をつけることも可能です。プログラムによっては1年以上かかるものもあります。地元の産業を反映したものや、地元企業と協力して実践的なプログラムを持つカレッジもあります。修了すると、Certificate(専門課程修了書)を取得することができます。

■編入プログラム (Tramsfer Program)

4年制大学の3年次へ編入することを目的に、大学学部課程の1、2年次に相当する一般教養科目を学びながら、併せて自分の学びたい専門分野の基礎教科を履修します。編入する際にはカレッジで取得した単位を移行します。

同じ州内の大学へ編入する場合は、ほとんどの単位移行を認めてもらえることが多く、手続きもスムーズですが、州外の場合はクラスによって単位を認めてもらえなかったり、編入後に新たに単位を取得しなければならないこともあるので注意しましょう。

学べる分野

語学、社会学、国際関係学やジャーナリズムなどの文系から、コンピューター・グラフィック、インテリアデザイン、音楽、映画制作、コスメトロジーなどの芸術系まで幅広い分野のプログラムが提供されています。ビジネスやマーケティング、心理学などは日本人留学生に人気の専攻です。学べる分野の範囲や充実度、どの分野が強いかなどは学校によって異なるのであらかじめ下調べをしておきましょう。 

学費

1年間の学費の目安は$6,000~$15,000で、4年制大学に比べて割安となっています。学費は基本的に単位毎で支払い、1単位$150~$275が一般的な留学生の学費になっています。留学生の場合は、フルタイムの学生である事が義務付けられており、1学期に最低12単位以上を履修する事が必要になります。

学校の規模、クラスのサイズ

コミカレには様々な学生が通っており、留学生も多く通ってます。学校の規模も小さいところでは数千人から、大きいところでは3万人以上が通うコミカレもあります。大学の規模も違いますが、クラスの大きさも科目によって異なり、規模の大きいクラスだと300人を超えることもあります。

コミカレに通う学生

コミカレには、様々な人が異なる目的を持って通っています。短大卒業の学位を目的とした学生から、4年制大学への編入を目指す学生、飛び級をした高校生、4年制大学から通っている学生、キャリアアップを図る社会人や主婦まで、実に様々な学生がコミカレで学んでいます。日本のように高校を卒業したティーンエージャーばかりではなく、主婦や現役社会人、すでに退職した人なども通っています。

プレイスメントテスト

入学後、学生はプレイスメントテスト(実力テスト)を受けます。このテストで、英語力と数学力を計り、テスト結果に基づいて各学生をそれぞれのレベルのクラスに割り振る重要なテストです。充分な英語力がないとみなされた場合はESLの初歩的なクラスからはじめなければならず、その結果、余計な時間を費やすことになり、後々の卒業や4年制大学への編入時期にも影響を与えることもあるので、要注意です。

オンライン授業登録

学期が始まる前に、学生はインターネットもしくは学校のブックストアで販売しているクラススケジュールを元に授業登録を行います。現在、殆どの学校ではオンライン(ウェブ)授業登録が一般的です。事前に学生ひとりひとりに通知される授業登録開始時間に沿って、授業登録を行います。クラスは定員に達すると申し込めなくなりますが、クラスによってはWaiting Listがあり、空きを待つこともできます。始めに登録をした学生がキャンセルをすると代わりに登録が可能となりますが、大抵の場合Waiting Listには人数制限があります。人気のクラスはすぐにクローズ=Close(定員に達すること)になるので注意しましょう。

編入制度・単位の移行

コミカレのクラスには、4年制大学への編入時に、単位を移行することを認められているクラスがあります。すべての単位が移行可能というわけではなく、特に州外の大学に編入する際はカウンセラーなどに相談して確認する必要があります。州内の州立大学とコミカレの間にはArticulation(アーティキュレーション)と呼ばれる単位移行の協定があることが殆どで、どの単位が移行可能か定められています。これはウェブサイトやコミカレのカウンセリングセンターなどでチェックすることができます。

コミカレによってはトランスファーセンターという施設があり、トランスファー専門のアドバイザーのカウンセリングを受けたり、大学のパンフレットやArticulation、GE、Major Requirement(専攻別必修科目)などの資料も手に入れることだできます。

また、4年制大学の学生がコミカレに通うこともありますが、これもコミカレから大学への単位の移行が可能だからです。

4年制大学へのステップとしてのコミカレ

留学生がコミュニティカレッジに通う大きなひとつの理由として4年制大学へ編入するのに必要な一般教養課程を履修することができる点が挙げられます。カレッジに入学した際に英語力が多少足りなくても、カレッジのESLコースを受講し、授業でのノートの取り方やプレゼンテーションの仕方、エッセイの書き方など、実践的なスキルを身に付けることができ、ESLを修了すれば学部生として他の学生と一緒に授業を受けることができます。4年制大学に編入後に授業についていけるだけのアカデミックな英語力を2年間で養うこともできます。また、クラスの難易度も4年制大学と比べると、比較的簡単だと言われています。

OPTについて

フルタイムの学生として1年以上のプログラムを終了すること前提として、卒業後、1年間アメリカでフルタイムで就労することができます。職種の選択は学生の専攻する学術領域に限られ、大学の許可および移民局の許可が必要です。申請は、卒業の90日前から行う事ができますが、コース終了までに申請しなければなりません。

 

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