アメリカの教育システム
アメリカでは教育は生涯を通してするものという概念が強くあり、年齢や所得に関係なく全ての人が公平に教育を受けられるチャンスを提供するシステムが確立されています。
初等教育、中等教育、高等教育といった3段階にわかれ、はじめに初等・中等教育を12年受けたあと、高等教育に進むというシステムは日本と同じです。しかし、全米すべてが同じというわけではなく、6-3-3制(小学校を6年、中学校を3年、高校を3年)や6-6制(小学校を6年、中学高校一貫)、そのほか5-3-4制や8-4制など、州によって学年制が異なるという特徴があります。
義務教育
日本と同じようにアメリカにも義務教育制度があります。日本では中学までが義務教育とされ、多くの人がその後、希望により高校に進学するというパターンが一般的ですが、アメリカでは高校までが義務教育となっており、高校を卒業すると親元を離れ生活することが一般的です。
アメリカの大学のシステム
アメリカの大学は日本の学年制・通年制と違って、単位制・学期制を採用しています。このため、日本の大学のように、1年通ったら進級、4年間通ったら卒業というわけではなく、それぞれに必要な単位数を履修しなければいけません。単純に、2年通ったから、あと1年、と考えるのではなく、あと○○単位残っているから、あと○学期卒業までかかる、という具合に考えます。
アメリカの大学では、日本の大学の1年生はフレッシュマン(Freshman)、2年生はソフモア(Sophomore)、3年生はジュニア(Junior)、4年生はシニア(Senior)に相当します。セメスター制の場合30単位毎(クォーター制の場合45単位)に進級し、120~130単位で卒業、という形が一般的な大学のシステムです。
最初の2年間は一般教養を中心に学びます。その後、3年次からは各々が専攻とする分野の授業をより専門的に学んでいき、専攻単位を履修・習得するようカリキュラムが組まれています。専攻も3年次まで決めなくてもよいことになっており、学生の可能性や主体性を尊重します。
単位制度
アメリカでは各学期ごとにコースが終了し、成績を決定、単位をあたえられます。日本とは異なり必要な単位数を取得すれば学期末で卒業できるので、4年制大学を3年間で卒業することも可能です。人によって単位取得のペースが異なるため、当然卒業までにかかる時間も、卒業時期も変わります。
学期制度
アメリカの大学ではセメスター制度とクウォーター制度が採用されています。セメスター制度は1年間を大きく2つにわけ、8月から12月までの16週間(秋学期)、1月から5月(春学期)までの16週間で行われます。
クウォーター制度は9月から12月(秋学期)、1月から3月(冬学期)、4月から6月(春学期)の3学期制(各11週)となります。
夏休みにはいずれの学期制度でも夏学期がありますがオプションのため希望者のみが受講します。
専攻システム
アメリカの大学で学べる専攻は数え切れないほどあり、日本には無い専攻も学ぶことができます。選択肢が多いということは、限られた数の専攻の中から興味があるものを選ぶのではなく、自分が好きなことをまず始めに考え、それに沿った専攻を選ぶことができます。また、専攻の変更や、ダブルメジャー(二重専攻)、マイナー(副専攻)も可能で、「やりたい」と思うことを追求できる環境がアメリカの大学にはあります。
GE(一般教養科目)
GEとはGeneral Educationの略で、一般教養科目を指し、英語、数学、科学、スピーチなど幅広い分野からバランスよく履修するカリキュラムになっています。
必修科目
GEの他に、各プログラム・コースによって必修科目があります。必修科目は専攻やプログラムによって様々で、クラスによっては年に1回しか行われないものもあるので、1年間のスケジュールを考えて履修計画を立てないければいけません。インターナショナルオフィスのカウンセラーと相談しながら、卒業・編入までのクラススケジュールを計画していくことが重要になります。
成績(GPA)
GPAとはGrade Point Averageの略で、成績平均値のこと。(日本の評定平均に近いもの)アメリカではA・B・C・D・Fの5段階で表すことがほとんどで、Aが優秀、Fは落第です。短大(コミュニティーカレッジから)4年制大学に進学する場合は、GPAが入学のひとつの基準となります。特に難関大学に進学を希望する人は、高いGPAを保つことが重要です。ただ、成績はひとつの判断基準でしかありません。難関大学では成績が良いことは当然として、学業以外に課外活動やリーダーシップ、その人が今まで何をやってきたか、など総合的に判断されます。成績や、一度限りのテストのスコアだけで判断されるというようなことはアメリカの大学では殆どありません。